NEW コラム 2021.11.10
フォークリフトの免許の種類!取得にかかる費用と条件
工場や倉庫、建設現場で荷物や建材などを運ぶのに欠かせないフォークリフト。
当然、運転・作業するにはフォークリフト免許が必要になってきますが、ここで色々な疑問を持つ方もいるようです。
「自動車の免許でフォークリフトの運転はできるのか?」
「工場の敷地内だけの使用だけど、フォークリフト資格は必要なのか?」
「事業主がフォークリフト資格を持っているけど、従業員も必要になのか?」
この記事では、フォークリフト資格がどのようなものなのか、資格取得するためにはどうすればいいのか解説していきます。
正しい知識をもっていないと思わぬ処罰を受ける危険性があるフォークリフトの作業です。しっかりとフォークリフトの基礎知識を身に着けていきましょう。
フォークリフトの運転と作業には2種類の資格が必要
工場や倉庫、建設現場で活躍するフォークリフトですが、当然、運転・作業するにはフォークリフト免許が必要になってきます。
フォークリフトの無資格運転には重い処罰があり、「6カ月以下の懲役または、50万円以下の罰金」が課せられることになってしまいます。
冒頭の3つの疑問の答えは以下のようになっております。
→ 自動車免許では、フォークリフトは運転できません。
→ 敷地内作業であっても、フォークリフト資格が必要。
→ フォークリフト作業をする本人が資格を持っていなければならない。
このように、ちょっとした勘違いによって思わぬ罰則を受けることもありえるかもしれません。
ここでは、フォークリフト資格について詳しく解説していきます。
フォークリフトで公道を走るためには特殊免許が必要
フォークリフトを公道で運転する場合、特殊免許が必要となってきます。
この特殊免許も、フォークリフトの最高速度によっても必要なものが異なってくるので注意が必要となります。
最高速度が15km/h以下の場合は小型特殊免許で運転をすることができますが、最高速度が15km/hを上回る場合は大型特殊免許が必要になってくるのです。
改めて特殊免許を取得しなければならないと考えの方もいると思いますが、小型特殊免許であれば普通免許を持っていれば、小型特殊免許も含まれているため改めて手続きをする必要なく運転ができるので安心して下さい。
大型特殊免許が必要な場合に関しては普通免許には含まれていない為、改めて大型の免許を取得する必要になってきます。フォークリフトに関わらず大型車両を使用する現場で活躍したいと思う方は、大型免許取得に挑戦するといいかもしれません。
ここで注意点ですが、小型・大型特殊免許は走行に関する免許であり、作業資格ではないということです。
また、フォークリフトで公道を走る場合には、国土交通省や市区町村の登録が必要になり、ナンバープレートの交付を受ける必要があるということも頭に入れておきましょう。
次に、フォークリフトで現場作業を行う上で必要になってくる「フォークリフト資格」を解説していきます。
フォークリフトで作業を行うためには別に資格が必要!?
上記では、フォークリフトで公道を走るための資格について解説してきました。
ここで、特殊免許を持っているからフォークリフトで作業できると勘違いしてしまう方が出てきてしまうのですが、特殊免許だけでフォークリフトで作業は行えません!
実はフォークリフトには「公道を走る」免許と「フォークリフトで作業を行う」資格の2つが必要になってくるのです。
さらに、フォークリフトの作業資格には2種類あって、さらにややこしくなっちゃうんです・・・
フォークリフト資格には2種類の資格が存在する!
フォークリフトで作業を行うためには、「フォークリフト免許」と一般的に呼ばれる国家資格「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要になってきます。
さらに、自動車免許が普通、中型、大型と分かれるように、フォークリフトの最大積載荷重が1トン以上なのか、1トン未満なのかで「フォークリフト免許」も2種類に分かれてくるのです。
ちなみに、最大積載荷重とは「フォークリフトが荷役できる限界の重さのこと」と簡単に理解してください。
最大積載荷重に関連する「許容荷重」などの解説は別記事で解説しますので、参考にして下さい。
最大積載荷重が1トン以上になるフォークリフトで作業を行う場合、学科と実技講習を受け、修了試験を合格することで取得できる国家資格「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要となってきます。
一方、最大積載荷重が1トン未満の車両の場合、「フォークリフト運転業務に関わる特別教育」を受ければ「フォークリフト運転特別教育修了証」を取得することができ、「フォークリフト運転技能講習修了証」を持っていなくても作業が可能となってきます。
ちなみに、自動車免許が道路交通法に基づいて定められた免許であるのに対して、フォークリフト資格は労働安全衛生法に基づく国家資格となっています。
フォークリフト免許のまとめ
フォークリフトの運転、作業について必要な免許・資格について解説してきました。
簡単にまとめると
フォークリフトは、「公道で運転する」ことと、「作業をすること」では別の資格・免許が必要である。
「公道で運転する」免許は次の2種類
最高速度が15km/h以下の場合は小型特殊免許
最高速度が15km/hを超える場合は大型特殊免許
「フォークリフトで作業する資格」は2種類
フォークリフトの最大積載荷重が1トン以上の場合、「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要
フォークリフトの最大積載荷重が1トン未満の場合、「フォークリフト運転業務に関わる特別教育」を受ければ作業が可能
仕事で使用するフォークリフトの最大積載荷重がどのくらいなのか?
公道を走る可能性があるのか?
自分が運転・作業できるフォークリフトはどれかをしっかり理解して、無資格で運転・作業をしないように注意しましょう!
フォークリフト資格を取得する方法とは?
ここでは、フォークリフトで作業を行う場合に必要となってくる「フォークリフト運転技能講習修了証」、通称「フォークリフト免許」取得について詳しい解説を行っていきます。
資格取得するために、日数や費用がどれくらいかかるのか?
難易度や、準備は必要なのかを徹底解説していきます!
積載量1トン未満の「フォークリフト運転特別教育修了証」
最大積載荷重が1トン未満のフォークリフトで作業を行う場合「フォークリフト運転特別教育修了証」が必要となります。
資格取得するためには、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受講しなければなりません。
「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」は、6時間の学科講習と6時間の実技で構成されており、修了試験はありません。
最短2日ほどで取得することが可能となっています。
費用はテキスト代を含めて15000円前後が一般的のようです。
積載量1トン以上の「フォークリフト運転技能講習修了証」
最大積載荷重1トン以上のフォークリフト作業を行う場合には、「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要となってきます。
「フォークリフト運転技能講習修了証」取得には、「フォークリフト運転技能講習」を受講し、その後行われる修了試験に合格しなければなりません。
「フォークリフト運転特別教育修了証」に比べると、受講時間も学科と実技を合わせて合計35時間とぐっとハードルが上がってしまいます。
受講日数は、すでに取得している免許によっては免除になる科目もあり、最短2日から最長5日で取得できるとさています。
費用も、既に取得している資格によって変わってきて、特に免許を持っていない場合は45000円前後、普通免許取得者は40000円前後、大型特殊免許などを取得している場合は15000円前後と幅があるので、自分がどこに当てはまるのかしっかり確認しましょう。
フォークリフト資格取得で助成金を活用する
フォークリフト資格取得には最大45000円前後の受講料と他の資格と比べても少額で取得できますが、さらに雇用保険給付制度である「教育訓練給付制度」を利用することで最大20%の費用が給付されます。
「教育訓練給付制度」の対象者や手続きの方法などは別記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。
(参考記事:「フォークリフト免許を教育訓練給付金を利用して賢く取得!詳しい解説!」)
フォークリフト資格取得の難易度はどれくらい?
「フォークリフト免許」取得の難易度はどのくらいなのでしょうか?
フォークリフト免許の受講数や合格率は公開されておらず、正確な難易度は分かりません。
しかしながら、受講生のほとんどが「フォークリフト免許」を取得しており、取得できなかったという方をみつけるほうが難しいくらいです。
18歳以上であれば、特別な受講資格はありませんし、フォークリフト免許を取得することで仕事の幅が広がり、会社によっては資格手当などの待遇アップもあるので非常にメリットがある資格であるのは間違いありません。
「フォークリフト運転技能講習」の申し込みと合格までの一般的な流れ
ここからは、最大積載荷重1トン以上のフォークリフト作業を行うために必要な「フォークリフト運転技能講習」について解説をしていきます。
フォークリフト資格は難易度が高いとは言えず、特別な準備がなくても取得が可能です。
とは言っても、数日にわたっての受講になるため、スケジュール管理も必要になり、それに伴って申し込みや予約が必要になってきます。
ここでは、フォークリフト資格取得のための、申し込みや予約、注意点などを解説していきます。
フォークリフト資格の受講資格や場所は?
フォークリフト資格の受講資格は特になく、満年齢18歳以上であれば誰でも受講は可能となっています。
実は、18歳未満でも受講だけは可能。ただし、フォークリフトで業務を行うためには18歳以上であることが条件になっているので、18歳未満であると業務に携わることができません。
受験場所は、各都道府県の労働局に登録された教育機関で受講することができます。
自動車学校のコースの1つであったり、フォークリフトメーカーが講習を設定しいてる場合があるようです。
まずは、申し込みと予約
まずは、労働局のホームページからフォークリフト講習を受講したい場所を決めましょう。
「フォークリフト運転技能講習修了証」の場合、最大5日の講習があるため、通いやすい場所を選ぶことが大切です。
中には受講料の中に昼食が含まれている場所もあるようで、色々探してみるといいかもしれません。
受講場所を決めたら、実施日や講習会場を確認し、さっそく申し込みを行いましょう。
教育機関によって申し込み方法はことなり、最近ではWebでの申し込み対応も増えてきたので非常に便利になってきました。
受講申し込みには、申込用紙、証明写真、本人確認書類、講習代金が必要になってきます。
各教育機関によって、提出方法や期限がことなっているので、しっかりと確認しましょう。
フォークリフト資格は人気があるため、希望の場所や日時を選べなくなってしまうこともあります。最低でも1週間前には申し込みを終えるようにしましょう。
学科講習と学科試験 注意点と対策
「フォークリフト運転技能講習」の一日目は、学科講習となっています。
学科内容は、4つの分野に分かれており、内容は以下の通り。
①フォークリフトの走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識
②フォークリフトの荷役に関する装置の構造および取扱いの方法に関する知識
③フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識
④フォークリフトの法律や規則、規制に関する知識
初見の方にとっては「走行に関する装置?」「力学や法律?」と聞くと大丈夫かと思うかもしれません。
でも、ご安心を!
講義では、講師の方が学科試験で「でるポイント」をしっかりと教えてくれるので、ほぼ受講生の全員が合格できています!
講義は日頃の疲れもあったり、慣れないこともあったりで眠気に襲われてしまうことが多いでしょうが、聞き逃さないように注意しましょう!
持っている免許によっては学科講習免除がある!
「フォークリフト運転技能講習」には11時間の学科講習がありますが、これまで取得してきた免許によっては免除される内容もあります。
「普通自動車免許」または「大型特殊自動車免許」を取得していれば、「フォークリフト本体の構造・取り扱い方法」4時間が免除されますので、学科免除に当てはまる方は多いのではないでしょうか。
実技講習と実技試験 注意点と対策
学科試験に合格すると、いよいよ実技講習に進むことになります。
実技の服装は、試験場によって用意するものが指定される場合もあるようですが、特に汚れることもないので動きやすいものであれば、普段着で問題ありません。
履物もスニーカーや安全靴などであれば問題ないでしょう。
多くの場合、ヘルメットに関しては貸出となっているようなので確認しておきましょう。
実技講習の内容は「走行の操作」と「荷役の操作」の2つとなり、2~3日かけて操作技術を取得していきます。
フォークリフトの運転が初めての方は、自動車と感覚が異なり慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
実技講習で一番重視されるのは「安全確認ができているか」なので、操作を焦らず行っていくことが大事です。
場合によっては、講習後に補習を受けなければならないこともあるようですが、操作取得までに十分な時間が用意されていますので、しっかり講習を受けて1つ1つの操作を丁寧に行うことを心がけて下さい。
講習後に行われる実技試験の内容は、専用のコースで走行、荷役手順に対して100点満点から原点方式で採点され、70点以上で合格となります。
しっかりと実技講習を受けていれば、焦らず操作を行うことでほとんどの方が合格されるようです。
ただし、中には危険な運転を行うことで一発不合格になる方もいるようで、安全確認を怠らないことが重要です。
「操作技術」より、いかに「安全確認」を怠らないかということに注視しましょう。
まとめ
今回は、フォークリフトを操作するために必要となる「フォークリフト免許」について解説していきました。
荷物の運搬等で欠かせないフォークリフト。
資格を持つことで仕事の幅も確実に広がりますので、ぜひこの機会にフォークリフト免許取得に挑戦してみてはいかがでしょうか?